2017年8月

どの学年が参加しても多くの知識を習得できる~日本精神神経医学会学術総会

2017年8月7日6:49 PM

平成29年6月22日~24日にかけて名古屋国際会議場で開催された第113回日本精神神経医学会学術総会(https://www.congre.co.jp/jspn113/) に参加させていただきました。今回は何人かの後輩の共同演者という立場で直接の発表はしなかったものの、3日間通して参加させていただくことができ大変勉強になりました。

本学術総会は精神科の学会の中でも最も規模の大きい学会であり、精神科の全ジャンルが集まる学会です。普段の時期に行われる外部の勉強会は製薬会社主体ということもあり、どうしても薬物療法関係のジャンルが多くなってしまいがちですが、本学会においてはそういった偏りはなく参加する機会の少ない非薬物的療法、リエゾンコンサルテーション医療、社会支援、実用化にはいたっていない最先端の治療のシンポジウムなども充実しています。聞きたい演題が多く、気づいたら3日間とも朝一から終会まで学会会場に詰めていました。難点は興味深い演題が多いがゆえに時間帯が重なってしまうことも多くどちらのセッションにでるか迷うこと、どちらも少しずつ聞こうと思っても会場が広いため移動に時間がかかって面倒なこと、人気のある会場は人が多すぎて立ち見でつらい、ということなどでしょうか。

学会のにぎわい

私は入局間もないころ、「学会というものは専門性が高く難解な話題ばかりが議論される場所。特に大規模な学会になればなるほど精神科の門をくぐったばかりの自分のような者が参加しても理解できないに違いない」という勝手な思い込みがあり、小規模な学会でささやかな発表をするばかりで、精神神経学会に参加するようになったのは恥ずかしながら専門医を取得した後でした。しかし実際は、専門医取得を目指す医師向けのプログラムや、学会を機に普段なじみのない分野の知見を広める目的にも対応しているプログラムも多く、どの学年が参加しても多くの知識を習得できる場所です。今回の学会では後輩たちが立派に発表しているだけでなく、抄録集を片手に自分たちが聴きたい講演を熱心のまわっている姿もみることができとても頼もしく思いました。

入局8年目 専門医

学会「第113回日本精神神経医学会学術総会」
日時「平成29年6月22日~24日」
会場「名古屋国際会議場」

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発達障害精査入院についての口頭発表~日本精神神経医学会学術総会

2017年8月7日6:49 PM

この度、愛知県名古屋市で行われた「第113回日本精神神経学会学術総会」(https://www.congre.co.jp/jspn113/)にて生まれて初めての口頭での学会発表をさせていただきました。

成人発達障害の診療で烏山病院は知られておりますが、当院では発達障害の精査入院(診断、検査などを2週間かけて行う入院)を実施しており、これも当院のウリの1つになっております。私は、入局してからの1年間、微力ながらもこれに携わらせていただいておりました。発達障害なるものを当初何も知らなかった私なのですが、上級医、コメディカルのスタッフの方々に懇切丁寧にご指導いただき、貴重な学びの経験をさせていただいております。今回は、この発達障害精査入院についてカルテ調査を行い、患者さんの背景についてまとめたものを口頭発表することになりました。

実は、昨年の第5回日本精神科医学学術大会でも同様な内容について発表を行っていたため、発表の準備を始める前は「それをベースに発表するだけ…」とタカをくくっていたのが正直なところです。ところが、実際に準備を始めると、プレゼン用のパワーポイントを新たに作成したり、新規データに対し考察を加えなくてはならなかったりと、想定以上に準備に難渋してしまいました。しかし、上級医の先生方にご意見を仰いだり、予演会で資料の編集のやり方、考察などに更なる御指摘・ご指導を受けるなど多くの助力を頂き、何とか完成度を高めて準備を終えることが出来ました。上級医の先生方には本当に感謝しております。本当に本当に感謝しております。本当です。

発表当日を迎え、名古屋の学会会場に着くと、改めてその規模に驚きました。日本の精神医療の中でも屈指の大きな学会であることは分かっていたつもりでしたが、発表が近づくと不安と緊張が高まり、原稿と缶コーヒーを手に意味もなく会場内を徘徊してしまうほどでした。

しかも、発達障害という大きなトピックスを扱うセクションだったためでしょうか。私の発表会場には、非常に多くの方々がつめ掛けていました。「半人前にも満たない私の発表なのに…」と、不安と緊張が極限に達してしまいました。おかげで発表の最中のことはほぼ記憶にありません。いくつか質問も頂いたのですが、とにかく何かをしゃべっていたというおぼろげな記憶しかありませんでした。

発達障害の発表会場は、床に座り込む人が出るほど

そのような呈で何とか自分の発表を終えましたが、そのあとは落ち着いて、様々な講演を拝聴させていただきました。大変貴重な勉強を沢山することができました。学会ならではの大きな楽しみだと思います。夜は医局の先生方と食事会をし、普段はなかなかお話できない、沢山の先生方と地元の名物や真面目な話やらふざけた話やらをして大いに盛り上がり、親睦を深められたかなと思います。これもまた学会の大きな楽しみです。

今回の体験を振り返ると、私のように経験が薄い者にも大きな学会での発表の機会をいただけた事、また優しく懇切丁寧に指導をいただくことができた事、そして、多くの上級医の先生方と親睦を深められた事、本当に感謝の念にたえません。そして、学会は日々の臨床に役立つような様々な知識を吸収出来る貴重な機会でもある事も実感できました。この体験で得たものを実臨床に生かしてより多くの患者さんに還元したいと思います。これからも日々精進していこうと思います。

入局2年目専修医

学会「第113回日本精神神経医学会学術総会」
日時「平成29年6月22日~24日」
会場「名古屋国際会議場」
演題「成人発達障害精査入院プログラムに参加された患者の特徴と診断結果」

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始めて学会に参加して~日本精神神経医学会学術総会

2017年8月7日6:48 PM

この度私は平成29年第113回日本精神神経医学会各術総会に参加する機会を頂きました。
精神神経科の学会を訪れるのは研修医時代を含めて今回が初めてでしたが、多種多様なシンポジウムや口演を拝聴することができ、改めて精神医学の幅広さとそれに関わる人々の熱意を感じました。

名古屋国際会議場

「専門医研修中の医師による演題」の会場では時に年配の医師から若手に対し厳しい質問がとんでおり、今後いずれ自分もどこかで演者になるかもしれないと思うと他人事とは思えず、急いでもっと勉強しなくてはいけないな、と改めて痛感しました。

また、日常の診療では所属している病棟の特性によってどうしても関わる機会のある疾患に偏りが生じますが、学会ではまだ自分は経験したことのない疾患や治療法に触れることができました。さらに、一つの疾患をテーマにしたシンポジウムではなく、例えば「病識」という側面から代表的な精神科疾患いくつかをそれぞれの専門の医師が語るというシンポジウムもあり、まだまだ自分の知らなかった精神科の面白い側面を沢山発見することができました。

入局1年目の私には難解な内容の口演も多々ありましたが、精神神経医学の最先端の治療や今後の多様な可能性を垣間見ることができ、大変貴重な機会となりました。

所属する医師数の少ない病院では、資格維持の為に参加が必須な上級医以外はどうしても本学会への参加が難しいと耳にしたことがありますが、大きな医局という強みもあり他班や他病棟の先生方に沢山助けて頂き今回の学会で勉強させて頂くことができ、大変申し訳なく、また有難く思っております。
本当にありがとうございました。

入局1年目専修医

学会「第113回日本精神神経医学会学術総会」
日時「平成29年6月22日~24日」
会場「名古屋国際会議場」

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