ご挨拶

主任教授 岩波 明(いわなみ あきら)

平成24年4月1日から、精神医学講座を担当しております。
現在、精神医学講座は、烏山病院を拠点としています。烏山病院は精神科の急性期医療や成人の発達障害に対する臨床、研究の拠点として成果をあげていますが、今後精神科専門病院として一層充実させていく所存です。
烏山病院は大正15年創立という長い歴史をもち、特に統合失調症の患者さんの社会復帰では先駆的業績も挙げてきました。こういった伝統を生かして、今後はうつ病患者さんの復職支援や発達障害当事者の就労支援にもリハビリテーションの対象を広げていこうと考えています。

さらに昭和大学精神科には、烏山病院の他に、認知症疾患治療病棟と精神科病棟合わせて100床をもつ附属横浜市北部病院、コンサルテーション・リエゾンと外来診療を主とする藤が丘病院と東病院があります。
これらを4病院の緊密な連携によって、卒後研修や学位・指定医や学会専門医取得を含むフルスペックの精神科臨床が大学内で可能という、本学の利点を最大に生かした教室運営をこころがけていく所存です。
昨年、厚生労働省によって精神疾患が五大疾病の一つに加えられましたが、精神医学、精神医療の社会的な重要性はさらに増していくでしょう。うつ病、自殺者の増加は大きな社会問題となっています。思春期、青年期においては、発達障害の問題に加え、不登校や社会的ひきこもりへの対策が、さらに重要になっています。加えて高齢化とともに、認知症と関連疾患やがんの緩和医療に関する対応も求められています。昭和大学は、「人の痛みのわかる優れた医療」を理念として掲げていますが、その実践のために精神医療は欠かせないものと考えます。
精神疾患に悩む人たちに手を差しのべる意欲に満ちた若い先生方とともに、本学で精神医学、精神医療を研鑽する喜びを是非とも共有したいと思います。

主任教授 岩波 明(いわなみ あきら)