認知療法研究会

認知療法とは

認知療法(cognitive therapy)は、認知-すなわち、ものの受け取り方や考え方-に着目し、その人がもつ認知の歪みを修正することによって、情緒や行動に変化をもたらすことを治療機序とした治療法です。
元々、認知療法はうつ病に対する治療法として、1970年代に米国の精神科医Aaron Beckによって開発された短期精神療法ですが、現在はパニック障害、社会不安障害、摂食障害など、精神科領域で幅広く使用されるようになっています。

昭和大学認知療法研究会の活動

【1】定例研究会

当研究会では、毎月第四木曜の午後6時~8時に、認知療法の習得や研究を目的として、認知療法の症例検討会や抄読会を開いています。その成果は日本認知療法学会などで発表されています。参加メンバ-は昭和大学精神医学教室に所属する医師(自由参加)で、毎回、活発な討論がなされています。
年会費は徴収していませんが、毎回出席をとり、参加費100円(茶菓代含む)を徴収しています。当研究会の特徴は、昭和大学精神療法研究会と重複参加しているメンバ-が多く、力動的な考え方もとりいれている点です。
そもそも、認知療法創始者のAaron Beckも精神分析医で、うつ病の精神分析療法の研究途上で、認知療法で重要な概念のひとつである「自動思考」を発見したといわれています。

【2】うつ病の認知療法の実施とスーパービジョン

昭和大学病院附属烏山病院では、下記の要綱で集団認知療法を実施しており、適宜、上級医師によるスーパービジョンを行っています。

職場復帰のための集団認知療法
対象 うつ病のために会社を休職中の男性6名
スタッフ 精神科医2名
実施期間 近日予定
実施日時 木曜 午後4時頃から2時間

【3】パニック外来

昭和大学附属東病院では、パニック障害の専門外来(担当:高塩理医師)を開設し、心理教育や薬物療法に加えて、 認知療法的アプロ-チをとりいれた治療を行っています。平成19年10月よりパニック障害のための集団認知行動療法を始めました。 ご参加頂きました患者様方には好評を頂いております。
今後、参加者募集を開始する予定です。

パニック障害のための集団認知行動療法
対象 パニック障害と診断された男性・女性各2~3名 合計6~8名
スタッフ 精神科医2~3名
実施期間 未定
実施日時 水曜 午後3時~4時30分
実施場所 昭和大学附属東病院内
内容 講義と参加者のディスカッションやワ-クを通して、パニック障害に特有の認知や行動のクセを学び、日常生活や仕事などで行動で困っていることに対して対処する技術を習得し活用していくプログラムです。