体験記

研修医体験記(3)

2015年11月9日2:50 PM

他大学から入局して

私は元々他大学出身ですが、学生の頃から精神科に興味があり、大学6年生の時に昭和大学の烏山病院へ見学に行きました。その際、病床数の多さ、措置入院や2次救急を関連病院に行かなくても経験できるという点に惹かれ、昭和大学精神科に入局することを決めました。
他大学からの入局だったので不安もありましたが、実際に入局してみると、様々な出身大学の先生がおり、大学の派閥を感じることは全くありませんでした。また、指導医の先生が多く、一人の先生だけではなく、色々な先生の指導を受けることができました。
烏山病院は、急性期・亜急性期・慢性期・認知症・特別病棟と五つの病棟に分かれていますが、私が入局して初めに配属されたのは急性期病棟でした。急性期病棟では、症状が悪化した患者さんが、比較的短期間で症状が改善し、退院していく経過を経験する事ができます。また入院数も非常に多く、沢山の症例を経験することが出来ました。急性期病棟は班体制のため、常に上級医に意見を聞くことができ、自分で感じたことや考えた事も直ぐに相談できる環境でした。先生方は自分の相談にも、丁寧に教えてくれました。
学年が近い先生方も多く、気軽に相談もしやすく楽しい環境で勉強をすることができました。
昭和大学は半年に一回、人事異動がありますが私は亜急性期病棟、慢性期病棟と異動になりました。そこでは急性期病棟で早期退院が難しくなった患者さんが転棟されてきますが、ここでは難治性や処遇の難しい患者さんが多く、比較的長期間の入院が可能な病棟であるので、一人の患者さんとよりしっかり向き合うことができる環境でした。

大学病院でありながら、単科の精神科病院の性質を持つ大学病院は、都内では少ないと思います。私は今年度から大学院に入学しましたが、これだけの症例を見ることができる環境である上に、大学院で研究が出来るというのは、大きなメリットだと思います。発達障害研究所も併設されており、発達障害専門の外来があるのも魅力の一つだと思います。
昭和大学は単科精神科病院である烏山病院、総合病院である北部病院、外来・リエゾンが主となる藤が丘病院と豊洲病院があります。自分の興味ある分野によって仕事場を選ぶことができ、各々のライフイベントの時期により、働く場所を選択することが出来る、女性の医局員にとっては特に働きやすい環境であると感じています。
また同期も多く、困ったときは何でも相談しあい、時には同期に刺激を貰うこともあります。病院が違ったり、病棟が違ったりで、いつも一緒に仕事をするわけではありませんが、たまに集まり飲み会をするときに、お互いの現状と情報交換をしています。

もうすぐ人事異動の時期となります。一年間同じ人もいれば、半年で変わる人もいます。私は半年ずつ病棟を変わっていますが、どこも充実した環境でそれぞれ学ぶことが出来ました。人事発表の後は新たな病棟となる不安もありますが、終盤になると、いつももっとここの病棟で学びたいと思うようになっています。どこに行っても充実した環境で学べると思います。
入局してからの一年半を振り返ると、烏山病院では様々な経験をすることができて、毎日が充実していました。昭和大学精神科に入局してよかったと改めて感じています。